私たちが考える人工光型植物工場

私たちが考える人工光型植物工場

人工光型植物工場は最新の植物栽培方式

これまで、植物の主な栽培環境は、露地、ハウスなどの施設、太陽光型植物工場、の3つでした。近年、これに「人工光型植物工場」が加わりました。「人工光型植物工場」は日本が中心となって発展してきましたが、日本国内だけでなく、いまでは世界中で注目されています。私たちが言う「植物工場」とは、閉鎖式の「人工光型植物工場」を指しています。

植物工場の多様な価値!

  • 投入材料を無駄にしない、省資源の価値。
  • 寒冷・熱帯・乾燥地帯でも新鮮な野菜が採れる、地域社会・地域環境への価値。
  • 低カリウムレタスや薬草に代表される、機能性成分の価値。
  • 洗浄せずに安心して食べられる、クリーンさの価値。

その他、フードマイレージ、フードセキュリティ等々、枚挙にいとまがありません。

植物工場の特徴

土地面積当たりの生産性を高めるため、多段の栽培棚での水耕栽培が一般的です。栽培環境を最適に制御するために工場は高断熱性です。高密閉性により、資源の漏れがなく、環境保全に優れています。生菌数が少ない環境(露地栽培に比較して数百分の一)での栽培のため、洗わずに食べられる野菜が収穫できます。光合成に必要な光は、蛍光灯やLEDで与えます。光合成に必要なCO2(二酸化炭素)は、CO2ボンベから供給されます。蛍光灯やLEDの熱で栽培室温度が高くなるため、冷房(エアコン)が必須です。

▲植物工場概要図

環境制御性が優れている植物工場

植物工場は、露地栽培、施設栽培、太陽光型植物工場に比べ、環境制御性が優れています。これは、閉鎖式のため、天候、温度、風、肥料、水、等の環境変動要因の数が圧倒的に少なくなったためです。環境変動要因の比は、露地栽培:施設栽培:植物工場=1000:100:1程度と言われています。

▲露地栽培、施設栽培、植物工場の違い

植物工場環境制御の肝は速度変数制御

環境制御性が優れた植物工場ですが、具体的には、何を制御すべきでしょうか?私たちは、速度変数を制御すべき、と考えています。

栽培環境を表す変数は、状態変数と速度変数の2種類に大別することができます。状態変数は、水温、気温、湿度、CO2濃度など、状態を示す変数を言います。速度変数は、給水速度、CO2施用速度等の単位時間当たりの量を示す変数を言います。植物工場環境制御の肝となるのは、速度変数制御です。

▲植物工場における速度変数

植物工場の速度制御とは?

速度変数制御とは、具体的にどのようなものでしょうか。

例えば、自動車工場で考えてみましょう。自動車工場では、生産計画に基づいて、車が計画通りに安定生産されます。これは、単位時間当たりの予定生産量に応じて、単位時間当たりの材料(部品)数が、時間通りに投入されていると言えます。これが、速度変数が制御された状態と言えます。

では現在の植物工場はどうでしょうか?

気温、湿度、CO2濃度等の状態変数は管理するようになってきています。しかし、単位時間当たりの植物成長量に応じて、単位時間当たりの材料(水・CO2・肥料・光)が、時間通りに投入されているとは言えません。植物工場では、速度変数を制御するには至っていません。生産技術という点では、植物工場はまだまだ発展途上です。

私たちは、自動車工場と同等以上の生産技術を、植物工場で培うことができると考えています。

私たちは産業用工場の技術者集団です

私たちの創業メンバーは、大手電機メーカで医療機器を開発していた電気・電子技術者や、産業用工場の工程制御システムを開発していた情報技術者など、いわゆる工業の技術者集団です。
植物工場は、産業用工場と多くの共通点があります。私たちは、栽培技術・農業技術に長けた方々と密に連携を取りながら、産業用工場の生産技術を活かし、植物工場の生産技術確立に向けて活動しています。

古在豊樹千葉大学名誉教授と植物工場

2014年2月に私たちは、古在豊樹千葉大学名誉教授に初めて出会いました。

古在名誉教授は長年にわたって、園芸および植物工場について研究されてきました。

古在名誉教授を通じて初めて知る植物工場に、非常に興味を持ちました。(とともに、私たちは、園芸についてとても勉強しました!)
私たちは今、その古在名誉教授の脳の中に蓄積された膨大な量の「英知」を、システム(⇒SAIBAIX)にダウンロードし、誰もがその恩恵を受けられるようにしています。

▲古在名誉教授とのセミナー

このようなきっかけを与えてくださった古在豊樹名誉教授に心より感謝しております。